
ナマステ!こんにちは!Hello Nepal編集部です。
日本のIT業界では、深刻な人材不足が続いています。経済産業省の調査によれば、2018年時点で既に約22万人のIT人材が不足しており、2030年には最大で約79万人が不足すると試算されています1。これは企業経営に直結する大きな課題であり、多くの経営者や人事担当者が頭を抱えている状況です。
一方で、世界に目を向けると事情は異なります。ネパール、インド、ベトナム、フィリピンなどの国々には、英語による業務遂行力と高度なITスキルを兼ね備えた人材が数多く存在します。いわば「ハイブリッド型エンジニア」が豊富に控えており、日本企業からの採用ニーズに応えられるポテンシャルを持っています。
しかし、「では海外人材をすぐに採用すればいいのでは?」という声が聞こえてきそうですが、現実はそう単純ではありません。
- コミュニケーションに不安がある
- ビザや法律手続きが複雑そう
こうした理由から、最初の一歩を踏み出せない企業が多いのも実情です。
本記事では、ネパールのIT人材紹介・定着支援サービスを展開する Japal が実際に企業さまから質問を受けた、海外IT人材採用に関する「よくある疑問」に答えていきます。実際に採用した企業の成功事例や、思わず「そんなこともあるのか」と驚くトラブル事例も交えながら解説しますので、これから海外人材の活用を検討している方も、すでに挑戦を始めている方も、ぜひ最後までお読みください。
よくある質問①「海外人材の採用って、結局どうやって始めればいいの?」

海外のIT人材を採用しよう!と決めたものの、「最初に何から始めればいいの?」と検索しながら悩む採用担当者は少なくありません。その気持ちはごく自然です。最初の一歩を踏み出すときこそ不安が大きく、手順が分からずに立ち止まってしまうことが多いのです。
けれどもご安心ください。実は取り組むべきことは複雑ではありません。迷ったときは、以下の 3つのステップ に沿って整理してみると、スムーズに道筋が見えてきます。
ステップ1:採用の目的とスキル要件を整理する
まず最初に取り組むべきは「どんな人を、なぜ採用するのか」を明確にすることです。
単に「優秀な人が欲しい」という抽象的な表現ではなく、できるだけ具体的に条件を定義していきましょう。例えば:
- TypeScriptで開発できるバックエンドエンジニアを1名採用したい
- 英語で業務コミュニケーションができることを必須条件とする
- 週20時間以上、長期的に関わってもらえること
このように「スキル」と「勤務条件」を明確にしておくことで、選考基準がはっきりします。もしここが曖昧だと、面接で「とにかく優秀な人なら誰でもいい」といった迷走状態に陥り、結果としてミスマッチや早期離職につながりかねません。
ステップ2:採用手法を選ぶ
次に考えるべきは「どのルートで人材を探すか」です。代表的な方法は以下の4つです。
- 人材紹介エージェントを活用
- 書類選考から面接調整、契約までを代行してもらえる。
- 費用は発生するが安心感があり、初めて海外人材を採用する企業に向いている。
- フリーランスマッチングサービスを利用(Upwork, Freelancerなど)
- プロジェクト単位や短期の採用に適している。
- ただし応募者が多く、スクリーニングに時間がかかる場合がある。
- 自社で直接人材を探す(LinkedInや求人サイトなど)
- スカウトメールを送る、自社サイトに求人ページを設置するなど。
- コストを抑えられる反面、英語面接や契約業務を自社でこなす必要がある。
- 自社で募集広告を出す
- ネット広告、業界誌、新聞、雑誌、フリーペーパーなどを活用して広く告知する方法。
- 採用コストは比較的低いが、応募が集まりすぎると選考負担が増える。
実際には、これらを複数組み合わせる企業が多く、案件の緊急度や採用の難易度に応じて最適な手法を選ぶのが効果的です。
ステップ3:法務・ビザ・契約の確認
最後に、採用形態に応じた法務面・契約面の整理を行います。
- 日本国内で雇用する場合:就労ビザの取得が必要です。ビザの種類や申請条件はケースによって異なるため、事前に専門家へ確認することが重要です。
- リモートで業務委託する場合:ビザは不要ですが、業務委託契約を締結し、請求書ベースでやり取りする形になります。
「働く場所は海外、でも成果はクラウド上にきちんと残る」――こうした働き方が今では一般的になりつつあります。適切に契約形態を選択すれば、国境を越えた柔軟なコラボレーションが可能です。
在留資格については以下の記事で詳細が載っていますので是非参考にしてください。
外国人採用に必須!在留資格の徹底解説―技能実習・特定技能・技人国の徹底比較 Hello Nepal
よくある質問②「言語の壁、どう乗り越える?英語?現地語?」

言葉の壁は“巨大な障害”ではなく“工夫で越えられるもの”
海外人材との協働を考えたとき、多くの方がまず思い浮かべるのが「言葉の壁」ではないでしょうか。
巨大なコンクリートの壁を想像する人もいれば、英単語が飛び交う空中戦を思い浮かべる人もいるかもしれません。
確かに、せっかく優秀なエンジニアを採用しても、コミュニケーションが成り立たなければ力を発揮してもらうことはできません。とはいえ今の時代、言葉の違いは致命的な障害ではありません。翻訳ツールや表現の工夫、そして慣れを積み重ねることで、十分に“橋”をかけられるのです。
英語がコミュニケーションを円滑にすることも。ただし“ペラペラ”である必要はない
国によっては、英語を話せる人材も多く、採用した直後の段階では英語でのコミュニケーションが有効な場合も多いです。 ただし必要なのは「流暢な英会話力」ではなく「仕事を進められるレベルの英語力」です。
例:
- Good: Please fix this bug by Friday.(金曜までにこのバグを修正してください)
- OK: Fix bug Friday.(バグ修正 金曜)
- NG: 日本語だけで伝える
このように、流暢さよりも 簡潔さと正確さ が大切です。語彙力や文法の完璧さより、「伝えたいことをシンプルに表現する姿勢」が成果につながります。
翻訳ツールは“補助”として賢く使う
Google翻訳、DeepL、Grammarlyなどの翻訳支援ツールは、今や頼れるパートナーです。
特に技術文書ではDeepLが自然な表現に強く、Slackやメールでも十分実用的に使えます。
おすすめの手順は次の通り:
- まず日本語でメッセージを整理する
- DeepLなどのツールで英語に変換する
- 必要に応じてChatGPTなどで整えてから送信する
最初はぎこちなくても、スピードより安全運転を意識すれば、確実に意思疎通が図れます。
言葉より難しいのは「文化による伝え方の違い」
「英語で話しているのに、なぜか伝わらない…」
そんな経験をする企業は少なくありません。原因は、言語そのものではなく 文化的なコミュニケーションスタイルの違い にあることが多いのです。
例:「Yes」の意味は国によって異なる
- Aさんの“Yes”=単なる相槌(聞いていますのサイン)
- Bさんの“Yes”=可能です
- Cさんの“Yes”=断れないので「努力してみます」という含み
つまり、同じ単語でも背景文化によってニュアンスが全く違うのです。
だからこそ「お互い理解しているつもり」が一番危険です。確認を怠ると小さなズレが大きな誤解につながります。
丁寧に“念のための確認”を繰り返すことが、スムーズな国際コミュニケーションを進める上での命綱になります。
海外人材採用の課題として最も多いのは「日本語コミュニケーション」
ある企業の調査2よると、外国人社員を活用していく上での課題として最も多いのは「社内での日本語コミュニケーション 能力の不足」(59.2%)で、日本語力が最大の課題として挙げられています。
それに続いて「文化や 価値観、考え方の違いによるトラブルがある」(42.4%)、「外国人社員を活用できる日本人管理者の不足」(37.6%)等、言語や文化に課題感を持つ企業が多い事が分かります。
よくある質問③「文化や働き方の違いは大丈夫?」

言語以上に大きい“文化と働き方”の壁
「文化の違いって、言葉の問題じゃなくて“感じ方”の違いなのですね…」
これは、ある日本企業の採用担当者が外国人エンジニアを初めて迎え入れ、1か月一緒に働いた後に残した言葉です。
海外人材を採用する際、多くの企業が最初に戸惑うのは「文化」と「働き方」の違いです。確かに最初は面倒に思えるかもしれませんが、この違いを「可能性」として前向きに捉え、仕組みで解決していくことで、チームの生産性や多様性はむしろ強化されます。
では、具体的にどのような違いがあるのか。そして、それをどう乗り越えればよいのかを見ていきましょう。
時間感覚のズレを“味方”にできるか
最も多いのは「時間感覚」の違いです。
日本では「時間を守る」ことが社会人の基本とされ、会議の開始時刻は秒単位で守られるのが当然とされています。
一方で、海外では時間のとらえ方が異なることも珍しくありません。例えば:
- 「会議に5分遅れる」は日常茶飯事
- 「ちょっと遅れます」の“ちょっと”が20分程度
- 納期直前に全力を発揮する「ラストスパート型」の働き方がむしろ称賛される
このような違いは最初こそストレスに感じますが、逆に「納期直前に爆発的な集中力を発揮する文化」と理解すれば、プロジェクト計画を立てる上で戦略的に活用できます。重要なのは「どこまで許容するか」をチーム全体で合意しておくことです。
指示の出し方は“文化設計”がカギ
日本の職場文化で当たり前に行われている「察する」コミュニケーションは、海外ではまず通用しません。
例えば「このタスク、急ぎじゃないけど今週中にできればお願い」という指示を出したとします。
- Aさん → 3日以内に終わらせる
- Bさん → 1週間以内に提出すれば十分
- Cさん → 「急ぎではない」と受け止め、2週間後に着手
同じ言葉でも、相手の文化的背景や働き方によって解釈はバラバラです。これは日本人同士でも起こり得ますが、異文化のチームではその差がさらに大きくなります。
したがって、外国人メンバーと協働する際には必ず 「何を」「いつまでに」「どのように」 を具体的に伝えることが重要です。
可視化ツールで“誤解をゼロ”に
口頭だけで伝えるのではなく、必ずタスク管理ツールを活用して“見える化”することが効果的です。
- Notion や Trello でタスクを共有する
- 納期・担当者・進捗状況を明確に記録する
- レビューのタイミングを事前に設定する
こうした仕組みを導入するだけで、「言った・言わない」「思っていたのと違う」といった齟齬は大幅に減少します。
よくある質問④ 「オンライン環境で人材をどう見極める?」
オンライン面接やリモートワークが普及した今、海外在住のエンジニアを遠隔で採用するのは特別なことではありません。
ただし、国境を越えた採用には「技術力の確認」と同時に「言語・文化ギャップをどう埋めるか」という課題が必ずついてきます。ここを軽視すると、せっかくの優秀人材を適切に評価できず、ミスマッチを招きかねません。
① コミュニケーション力を確認する
最初に見るべきは、やはり「会話の質」です。
- 質問に具体的に答えられるか
- 自分の意見や提案を示せるか
- わからないことを正直に「わからない」と伝えられるか
スキルが高くても会話がかみ合わなければ、後々の業務に支障が出ることは少なくありません。
② 技術スキルの確認方法
候補者は履歴書に GitHubリンク を添えることがあります。GitHubとは世界中のエンジニアが使うコード共有サービスで、候補者が過去に書いたプログラムや参加したプロジェクトを公開しているページのURLです。リンクを見れば、その人のコードスタイルや技術分野が分かる一方で、公開されていない業務経験は反映されません。そのため、リンクだけで判断するのは危険です。
より実務に近い実力を確認するには、次のような方法が効果的です:
- 過去のプロジェクト内容を説明してもらう
- 小規模なテスト課題を設定し、取り組み方を見る
- ペアプロ形式(ペアプログラミング) を導入する
ペアプロとは、面接官と候補者が同じ画面を共有し、一緒にコードを書く方法です。面接官が「ナビゲーター」として質問や助言を行い、候補者が「ドライバー」として実際にコードを書く。このやり取りで、単なる結果だけでなく、思考プロセス・時間の使い方・質問の仕方が見えてきます。
【失敗例】
- GitHubリンクだけを見て採用し、実務対応力不足に後から気づいた
- テスト課題が簡単すぎて本当の力量を測れなかった
【対策】
- 実務に近い課題を設定する
- 「結果」より「取り組み方」を観察する
③ 雑談の効用
面接をスキル確認だけで終えるのはもったいないことです。雑談を交えることで、候補者の価値観や働き方を自然に知ることができます。
おすすめの質問例:
- 「週末はどう過ごしていますか?」(→時間感覚や生活リズム)
- 「最近ワクワクしたプロジェクトは?」(→モチベーションの方向性)
- 「好きなツールやIDEは?」(→こだわりや自走力)
Japalが支援した企業の事例では、雑談を通じて「リーダー適性の有無」を判断できたケースもありました。つまり雑談は、単なる“アイスブレイク”ではなく、相性や将来性を見抜く重要なプロセスです。
④面接には技術通訳者を介する
海外人材採用では、専門用語の理解差が大きな障害になることがあります。
言語が不自由なままでは、質問内容が誤解されやすく、候補者の真価を正しく評価できない恐れがあります。
そこで有効なのが 技術通訳者を介した面接です。
- 通訳者が日本語⇔英語で技術用語を正確に橋渡しする
- 候補者の回答内容をニュアンスごと伝えてくれる
- 採用担当者は「スキル」と「人柄」に集中できる
特に初めて海外人材を採用する企業では、通訳者を挟むことで面接のストレスが減り、評価の正確性も高まります。
【まとめ】
日本国内ではIT人材不足が深刻化しており、経済産業省の試算によれば2030年には最大79万人の不足が見込まれています。すでに人材は貴重な存在になりつつあります。
しかし視野を広げれば、世界にはスキルと意欲にあふれた優秀なエンジニアが数多く存在します。ネパールをはじめとする新興国の若い人材は、英語力と専門知識を武器に、企業からの挑戦を待っています。
もちろん、言語・文化・時差といった課題はありますが、それらは適切な準備と仕組みづくりで克服できます。障害ではなく工夫すべき前提条件と捉えることで、海外人材はむしろ企業の成長を支える大きな力になります。
厚生労働省が発表している外国人雇用実態調査の結果によると
外国人労働者を雇用する理由(複数回答・事業所計)として、「労働力不足の 解消・緩和のため」が最も高く 64.8%となっていますが、「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」が 56.8%、「事業所の国際化、多様性の向上を図るため」が 18.5%、「日本人にはない知識、技術の活用を期待して」が 16.5%となっています。
つまり、多くの企業は「労働力不足の解消」だけでなく、外国人材の能力や多様性への期待を持って採用していることが分かります。
グローバルな仲間を迎え入れるという選択は、単なる人材確保にとどまらず、会社そのものを次のステージへと進化させる戦略です。
私たち南海電鉄の「Japal」は、海外IT人材の採用から定着支援までを一貫してサポートしています。人材不足という課題を成長のチャンスに変える一歩を、私たちとともに踏み出してみませんか。
はじめての外国人採用に不安がある企業の方へ。
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